FXにおけるトレンドを定義する構成要素1

他の記事の中でもちらほらとトレンドという言葉を使ったり、トレンドとは?という話をしているのですが、ここでは改めて、トレンドとはどういうもので、どういった構成になっているのか?をきちんと確認しておきます。

 

相場がなんとなく上がっていたら上昇トレンド、下がっていたら下降トレンドみたいに、そんなざっくりしたものじゃなくて、トレンドはダウ理論という相場の原理原則に基づいてしっかりとした定義付けがされています。

 

相場の値動き(波)は上げたり下げたりを繰り返しながら、時には上昇したりまたある時には下落したりするわけですが、最も小さなトレンドは3つの波で構成されています。上昇トレンドを例に紹介すると、ちょうどアルファベットの「N」をちょっと右に傾けたような形、つまり上昇していったん下落するものの再上昇する形が上昇トレンドの最小構成単位となっています。この時、トレンド方向に延びる波のことを推進波トレンドに逆らう波を調整波という言い方をします。

 

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トレンドとは簡単に言うと、調整波の下落幅に対して2つの推進波の上昇幅が上回っている状態のことを指していて、ダウ理論に沿ってトレンドを定義するにあたって、注意すべきポイントが2つあります。

 

  1. 調整波は一つ目の推進波(第一波)の始点(安値)を下回ってはいけない。
  2. 2つ目の推進波(第二波)が第一波の終点(高値)を越えなければいけない。

 

1.と2.がきちんと満たされた状態で値動きがドンドン進んでいくのが理想的な上昇トレンドとなります。
上昇トレンドの場合、「N」の形を連続してつなげていくのが理想的な状態となり、

 

「相場の波の安値・高値が切り上がっていれば上昇トレンド、逆に切り下がっていれば下降トレンド」

 

という言い方をする人もたくさんいますね。

 

トレンド分析をするにあたっては、まずは相場の値動きの高値・安値に注目して、切りあがっているのか?切り下がっているのか?それとも同じ値幅を行ったり来たりしているのか?を確認するところから始めます。

 

仮に、順調に上昇トレンドを形成していたけれど、直近の値動きを見ると1.と2.のどちらかが覆された場合を考えてみます。
例えば、調整波の終点(安値)が第一波の始点(安値)を下回ってきた場合、上昇トレンドはいったん終了とみなし、相場が大きな調整局面を迎えたんだろうという風に捉えます。

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調整局面に入るとレンジになる可能性もあるし、きれいに値動きが反転しだして下落トレンドに移行する可能性もあります。そしてやはり、安値を切ってきたものの、その後、高値をもう一度突破してきた再び上昇トレンドに移行する場合もありますので、トレンドの定義が崩れたからと言って、安易にトレンドが転換した!と判断するのはちょっと考えが浅すぎます。